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「おいしい信州ふーど(風土)」宣言

地産地消からさらなる展開へ

<宣言の目的>

長野県は現在、県全体で地産地消運動を推進していますが、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、私たち長野県人が当たり前と思っている豊かな故郷や、そこから生まれる食べ物の価値を見つめ直す機会となりました。

長野県は、自然環境や歴史、地域文化など高いローカル(地域性)の価値を持っていますが、県外の多くの人々から県民自身がその価値に気づいていないと指摘されています。そこで、改めて長野県人に信州の高いローカルの価値を知ってもらい、そこから生まれるおいしい食べ物を共有し、県民一人ひとりが誇りを持って発信していきたいと思います。

信州産の食べ物については、従来から個々には認知度向上やブランド化を図ってきましたが、全体としてのブランドイメージは向上していません。そこで今回、個々のブランドを活かしつつ、新たなくくりで捉え直し、おいしい信州ふーど(風土)として発信し、消費拡大や滞在型食観光の促進を図ります。

玉村豊男さん すいせんの言葉

玉村豊男さん
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玉村豊男(たまむらとよお)
自園自譲のワイナリー、カフェ、ショップ、ギャラリーを加えた「ヴィラデストガーデンファーム アンド ワイナリー」は農園ビジネスのモデルケース

長野県は日本の中心に位置し、きれいな空気と、清らかな水と、豊かな緑に恵まれた山の国です。その山の、ひとつの峠を越えればその向こうにひとつの町があり、ひとつの尾根をたどればその先にひとつの村があり、それぞれの土地に、それぞれの暮らしのかたちが息づいています。

平均して標高が高く、冷涼で昼夜の寒暖差が大きい気候。複雑な地形が織り成す、微細な変化に富んだ風土。広い耕地が確保しにくい山がちの地形は、効率を求める大規模農業には不向きかもしれませんが、そのかわり、地域の特性を生かした小規模で多様な農業生産を可能にしてきました。

山国の暮らしは決して安逸なものではありません。正直で勤勉な信州人は、厳しい環境の中で、もったいない、ありがたい、と自然の恵みに感謝しながら、額に汗して労働にいそしんできました。信州のおいしい食べものは、そんな実直な暮らしの中から生まれてきたものです。

農業は食べものをつくる仕事です。土に生きる日々が育んだ、信州の食文化。それは華美でも豪奢でもなく、毎日をふつうに暮らせることのよろこびを素直に表現する、地に足をつけた健全な生活者の文化です。

いま、世界が追い求めてきた近代の価値観が揺らごうとしているとき、信州の人びとが長い歴史の中で培ってきた暮らしとそこから生まれた食べものは、あらためて日本人の暮らしの原点を問い直しているかのようにも思えます。

いまこそ私たちは、ふるさとの暮らしと信州の食べものを、かけがえのない宝物として選び直し、それこそ縁側で隣人をお茶と漬物でもてなすように、信州の暮らしは楽しいですよ、信州の食べものはおいしいですよ、といって、信州という風土から生まれたおいしいものを、みんなにお裾分けしようではありませんか。