「おいしい信州ふーど」レポート

コークスで焼き上げるシンプルな塩焼きに、ここでしか食べられないイワナの卵も

木曽・開田高原にある「やまめ荘」は、イワナ料理の提供と、釣り堀の運営・イワナの養殖を手掛けています。店名は、1971(昭和46)年の開業当初に育てていたヤマメから付けたものですが、現在はイワナのみになっています。店の外にある釣り堀は、堀というよりは自然の川と池のような雰囲気。2代目の桑原勉さんは、「一種の体験コーナーみたいなもの。やっぱり、自分が釣った魚を食べたいというお客さんが多い」と話します。

釣り堀で釣ったイワナは串に刺し、炭ではなく工業用のコークスで焼きます。シンプルな塩焼きですが、一人で食べた最高記録はなんと16本!他では川魚をあまり食べなかったという小さい子どもが「もっと食べたい」とおかわりすることもあるそうです。おいしさの秘密は水と焼き方。イワナを育てるために使う水は全て開田高原の湧水。また、工業用のコークスは1500度と高温になるため、炭と比べて焼き上がりの時間は約半分の15分ほど。「時間がかかると、焼くというより乾いてきてしまって、身が硬くなる」と桑原さん。お客さんから注文が入ってから焼くというのもこだわりで、釣れなかった人のために用意はしていますが、硬くなるため、焼き置きはしません。

「やまめ荘」には珍しいメニューもあります。それはイワナの卵。塩漬けのように味付けはせずに、そのままで提供して、レモンとしょう油をかけて食べます。「加工をしていないので柔らかい。生臭さはなくて、とろっとしていて、舌触りはプチッではなくて、シュゥッって感じでしょうか」。例年11月に入ってから卵を採り、2週間ほど提供しています。「ここでしか食べられない」と毎年、卵を目当てに足を運ぶ人もいるほど。ほかにも、焼いて身をほぐして作るイワナご飯や、刺身、甘露煮や唐揚げ、骨酒など、多彩なメニューでイワナを堪能できます。「川魚は苦手、と思っている人も食べてみればイメージが変わる。骨のある魚を食べたことがない、という子どもも塩焼きを喜んで、骨まで食べてくれるんですよ」


やまめ荘
TEL:0264-44-2125
住所:木曽郡木曽町開田高原西野6542-5
営業:お食事 10:00〜17:00 / 釣り堀 9:00〜17:00
定休:毎週水曜日
URL:http://www.kiso.ne.jp/~yamameso.kt/

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