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木曽の清流で育つイワナ。知り、学び、触れることで地域の味を伝え守る

「(有)御岳淡水」は、木曽・御嶽山から流れる川の水を引き、1000平米ほどの池に、ニッコウイワナとヤマトイワナ、ほかにニジマスなども養殖しています。社長の狩野勝郎さんと妻の史子さんが、この地で養殖を始めたのは、1976(昭和51)年。お二人は富美子さんの御実家が南木曽で養殖業を営んでいたことがきっかけでニジマスの養殖から始めましたが、より最適な場所を探し求め、沢が多く水が豊かで、湧水も使うことができた開田高原に移り住みました。「ここへ来て、川の水が凍ることを初めて知った」と史子さん。水温が低い分、魚の成長には時間がかかりますが、身が締まっておいしさが引き立つといいます。

最初はニジマスをメインに、養殖技術の発達とともにイワナも育てるようになりました。ここで育てたニッコウイワナは、地元の旅館や民宿、飲食店へ。「淡水魚=ニジマスのイメージだった時代もある。昔から、地元の人は釣ったイワナを食べてはいたけど、お客さんに出すという感覚がなかった。難しいイワナの養殖には成功したけれど、売り先に苦労した時代もある。でも今は、都会のお客さんにイワナは喜ばれるし、せっかくなら地元のものを食べてもらいたいと考える人が増えてきた」と勝郎さんは話します。

一方、ヤマトイワナは木曽川漁業協同組合へ。木曽の渓流に昔から暮らしている在来種で、地元では“木曽イワナ”とも呼ばれているヤマトイワナですが、森林伐採や河川改修で生息域が年々狭まっていました。御岳淡水では、1989(平成元)年ごろに、当時の漁協の組合長から声を掛けられ、県水産試験場木曽試験地と一緒にヤマトイワナの増殖に取り組み始めました。「ニジマスと比べるとイワナはえさをやるのが難しい。ニッコウよりもヤマトは野性味が強いからか、さらに難しい」と勝郎さん。試行錯誤を繰り返しながら、徐々に育てられるようになっていきました。現在は、木曽地域の小中学校にヤマトイワナの発眼卵を配布し、子どもたちが水槽でふ化させ、大きくしてから川に放流する事業にも携わっています。「最初はニッコウイワナの卵が余ったときに始めた。ヤマトイワナができるようになったので、それなら “木曽のイワナ”を子どもたちに知ってもらえればいいと思って」。地域の子どもたちが知り、学び、触れることで、その地域の大事な味が守られ、伝えられていくのかもしれません。


有限会社御岳淡水
TEL:0264-44-2524
住所:木曽郡木曽町開田高原6999

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