坂井芋は、飯山市の千曲川沿岸部である坂井地区で栽培されている里芋です。江戸時代に、千曲川の氾濫に悩まされてきた人々が、水につかっても枯れない作物として導入したことが、栽培の始まりとされています。坂井芋は、葉がとても大きく育つので「葉芋」とも呼ばれ、らっきょうのようにくびれた「えび芋」のような形になるのが特徴です。川の氾濫によって運ばれた肥沃な土壌と、多湿で砂交じりの土質で育った坂井芋は、強い粘りと柔らかくきめが細かい肉質となり、噛みしめたときに「もっちり」とした感覚が味わえます。
「高橋まゆみ人形館」向かいにある「味蔵 月あかり」は、地元・飯山や近隣エリアの食材を生かした郷土料理を提供しています。経営するのは、飯山の郷土食の継承に取り組む「いいやま食文化の会」。予約の数などにもよりますが、普段は調理チームとして6、7人のスタッフで店を切り盛りしています。
2016年9月、市の農福連携推進事業として設立された「フジすまいるファーム飯山」は、木島坂井芋研究会の中でも最も大規模な栽培を行う生産者です。農福連携事業とは、農業の担い手不足と障がい者の就労機会改善の対策として、農業と福祉が連携することで障がい者の就労の促進と自立を支援し、よりよい地域づくりを目指す取組です。
北信州の伝統野菜「坂井芋」。そのもっちりとした濃い味わいを、ぜひご賞味ください!